新NISAとiDeCo。
どちらも「お金を増やす制度」ですが、目的も使い道もまったく違うため、
“どっちから始めればいいの?” と迷う人はとても多いです。
特に40代は
・教育費がこれからピークを迎える
・老後資金も気になり始める
・個人事業主は収入に波がある
という状況が重なる時期。
この記事では、あなたの状況に合わせて
「どっちを先にやり、どっちを後でやるべきか?」 を明確にします。
先に結論:40代・教育費あり・個人事業主なら「①新NISA → ②iDeCo」が最適
はっきり言います。
優先順位は “①新NISA → ②iDeCo” です。
その理由は3つ。
1. 新NISAは「いつでも引き出せる」から
40代は受験・入学金・学費など、とにかく現金が必要。
iDeCoは60歳まで使えないため、教育費との相性が悪い。
新NISAなら、
・積立額の調整
・売却
・引き出し
がすべて自由。
生活が変わる40代には、この“柔軟性”が欠かせません。
2. 個人事業主は手元資金の安定が最優先
収入の波、車・工具の突然の故障、材料費の変動…。
現金が減ると事業にも家計にも影響が出るため、
“資金をロックするiDeCo” よりも
“自由にコントロールできる新NISA” を先にした方が安定します。
3. iDeCoの節税は強力だが「人を選ぶ」
iDeCoは掛金が全額所得控除。
たしかに節税効果は大きいけれど、
・毎月固定で
・60歳まで引き出せない
という縛りがあります。
教育費が多い時期は無理せず
まずは新NISAで“動けるお金”を増やし、
教育費が落ち着いたらiDeCo
が最も現実的です。
新NISAとiDeCoの違いは、この比較表が一番わかりやすい
| 比較項目 | 新NISA | iDeCo(個人事業主) |
|---|---|---|
| 目的 | 資産形成(途中引き出し可) | 老後資金(60歳まで引き出し不可) |
| 柔軟性 | 積立の増減・停止・売却が自由 | 積立停止は可だが引き出し不可 |
| 年間の積立上限 | 360万円 | 81.6万円(6.8万円×12)→7.5万円×12に2026年から変更 |
| 生涯の非課税枠 | 1,800万円(成長投資枠1,200万) | 上限なし(掛金に応じる) |
| 税制メリット(積立中) | 運用益が完全非課税 | 掛金が全額所得控除+運用益非課税 |
| 出口の税金(受取時) | 非課税(売却益も引出しも) |
一時金:退職所得控除(有利) 年金受取:公的年金控除 ※条件により一部課税あり |
| 引き出し時期 | いつでも可 | 60歳以降のみ |
| 投資商品 | 投信・株など幅広い | 主に投資信託 |
| 向いている人 | 教育費と両立したい家庭 | 老後資金を確実に積み立てたい事業主 |
| 向いていない人 | 貯金ゼロの家庭 | 教育費ピークの家庭(資金ロック危険) |
“いつでも使えるお金” を作れるのが新NISA、
“60歳まで使えないお金” を積み立てるのがiDeCo。
年間の上限額も大きく違うため、
まず生活と教育費に合わせやすい新NISA、
余力が出てきたらiDeCo、という順番が現実的です。
なぜ新NISAが“先”なのか
途中引き出し・売却がいつでもできる
教育費の波に合わせて、
・積立額を増やしたり
・いったん止めたり
・売却して現金化したり
自由にコントロールできます。
「今年は受験でお金がかかるから積立を少し減らす」
「落ち着いたから再開」
といった調整ができるのが新NISA。
投資可能枠が大きく、目的に合わせて使える
年間 360万円 まで(つみたて120万円+成長投資枠240万円)
生涯 1,800万円 まで。
40代は長期投資の時間がまだ十分あるため、
柔軟な新NISAは資産形成の軸になります。
教育費と“同時進行”しやすい
途中で引き出せるため、教育費が必要になっても対応できます。
iDeCoはロックされるのでここが決定的に違う。
iDeCoは「老後専用」と割り切ると強い
月6.8万円まで掛金が全額所得控除(個人事業主)
節税効果はケタ違い。
例:税率20%なら
・月2万円で年4.8万円
・月6.8万円で年16.3万円
がまるまる節税に。
ただし60歳まで引き出せない
教育費のピーク(小4〜高3)とは相性がよくありません。
余力が出てきたら始めるのが現実的
・子どもが中学生以降で収支が安定
・積立資金をロックしても影響が少ない
・節税メリットを活かしたい
こうなったタイミングが開始のベスト。
家計ステージ別「新NISA × iDeCo」最適バランス表
| 家計ステージ | 新NISAの優先度 | iDeCoの優先度 | ポイント | |
|---|---|---|---|---|
| 教育費ピーク (小4〜高3) | ◎(最優先/月1〜2万円) | △(月5,000〜1万円など少額) | 現金が必要な時期。引き出せる新NISAが圧倒的に有利。iDeCoは“ロック”に注意。 | |
| 教育費が 落ち着いてきた時期 | ○(月1〜3万円) | ○(月1〜2万円) | 無理のない範囲で両方を少額ずつ。 節税メリットが実感しやすい時期。 | |
| 子ども独立後 (50代以降) | ○(中長期の増加に役立つ) | ◎(節税フル活用/月2〜3万円〜) | 老後資金づくりの本番。iDeCoの税制メリットを最大化できる時期。 | |
家計ステージによって最適な比率は変わります。
教育費ピークの時期は「動かせるお金」を確保するため新NISAを優先し、
余力が出てきたらiDeCoを追加。
子どもが独立した後は、老後資金づくりのためにiDeCoを強めるのが最適です。
今のあなたが選ぶべき順番はこれ
まとめると、
① 新NISAで柔軟に積み立てながら家計を守る
② 余裕ができたタイミングでiDeCoを追加する
これが40代・教育費あり・個人事業主にとって
“無理なく続けられる最短ルート”です。
大事なのは、「早くやらなきゃ」ではなく
「今の生活を守りながら、できるところから順番に整えること」。
コツコツ続ける力が、いちばん大きなお金になります。

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