個人事業主やフリーランスは、
売上の波、経費の波、忙しさの波…と、とにかく“変動”が大きい働き方。
そのうえ、税金は容赦なくやってくるから
「節税はしたいけど、何からやればいいの?」
と悩む人は本当に多い。
この記事では、
個人事業主が使える節税を“わかりやすく、順番で” 紹介します。
個人事業主が節税でまず押さえるべき3つの考え方
控除を最大化する
青色申告、iDeCo、小規模企業共済など “税金が下がる制度” は強い。
経費を正しく計上する
事業に関係する支出を漏れなく入れるだけで、手取りが変わる。
キャッシュフローを安定させる
節税も投資も“無理のない金額”で続けるのが成功のコツ。
節税① 青色申告(最大65万円控除+家族給与)
青色申告は最強の節税。ただし申請の期限がある
青色申告は“申請した年から使える制度ではない”。
- 開業した年 → 開業から2ヶ月以内
- すでに開業済み → その年の3月15日まで
に申請書を提出する必要がある。
これを知らずに機会を逃す人は本当に多い。
帳簿が必要。でも今はソフトでほぼ自動
マネーフォワードやfreeeなどのクラウド会計は、
銀行・クレカ・交通IC・Amazonまで自動取込みできる。
登録作業がメインなので「青色=大変」は昔の話。
メリットはハードルを圧倒する
- 青色申告特別控除:最大65万円
- 税率20%なら13万円節税
- 税率30%なら19.5万円節税
- 赤字繰越3年
- 家賃・電気・通信の按分もしやすい
固定費ゼロでこれだけの節税効果は、他にない。
家族への専従者給与が最強
配偶者や家族を手伝いとして雇い、支払う給与を経費にできる。
たとえば月10万円
→ 年間120万円が丸ごと経費。
家族の税率を下げることで、家庭全体の手取りが増える。
大工・現場業の家庭は特にメリット大
車・工具・材料費など経費が多いため、白色申告では絶対に損をする。
青色申告は“個人事業主の節税の土台”。
節税② 経費計上(8割はここで決まる)
見落としがちな経費リスト
大工・現場系、フリーランス共通で多いのがこれ。
- 車関連(ガソリン・保険・車検・修理)
- 工具類(インパクト、丸ノコ、ビット、消耗品)
- スマホ・PC
- 現場への交通費
- 作業服・安全靴
- 家賃の按分(自宅兼作業場)
- 電気・通信費
- 書籍・研修費
- 打ち合わせの飲食
“仕事に必要なら経費” が基本。
生活費との線引きは「説明できるかどうか」
税務署に理由が説明できればOK。
数字よりも、
「なぜ必要か」を一言で言えることが大事。
節税③ iDeCo(掛金が全額所得控除)
掛金上限は月6.8万円(2026年から7.5万円/月へ)
個人事業主のiDeCo上限は
月6.8万円/年81.6万円。
2026年に 月7.5万円 に拡大予定。
節税額の目安
税率20%なら
→ 81.6万円 × 20%= 16.3万円節税
税率30%なら
→ 24.48万円節税
節税効果は大きい。
ただし「60歳まで引き出せない」
教育費ピーク(小4〜高3)の時期に使えないのが欠点。
だから
無理して満額やらず、余裕のある年だけ増額
という使い方が正解。
節税④ 小規模企業共済(個人事業主の退職金)
掛金が全額所得控除
月1,000円〜7万円まで柔軟に設定でき、全額控除。
iDeCoより柔軟に金額変更ができる。
廃業・事業縮小時に“退職金”として受け取れる
退職所得として扱われ、税制優遇が大きい。
実は貸付制度がかなり優秀
売上が落ち込んだ時、
“積み立てた掛金の範囲で借入れ”ができる。
現金の波が大きいフリーランスにはかなりありがたい。
建退共との違い(我が家の場合)
建退共(建設業退職金共済) に加入している場合、役割はかぶっている部分もある。
- 建退共:建設現場で働く人の退職金制度
- 小規模企業共済:事業主本人の退職金制度
家族経営・夫婦事業の場合は
本人の退職金は“小規模企業共済”が担当
と覚えるとわかりやすい。
節税⑤ 経営セーフティ共済(全額“経費”になる)
事業者向けの倒産保険だけど節税効果が異常
正式名称は「中小企業倒産防止共済」。
掛金は
月5,000円〜20万円(年240万円まで)
全部そのまま経費になる。
積み立てたお金は“40ヶ月以上”で100%戻る
実質「いったん全部経費 → 将来全額戻る」という構造。
税率30%の個人事業主なら
→ 毎年72万円の節税効果。
資金繰りの安全弁
共済から借入れもできるから、
売上の波が大きい業種に向いている。
節税⑥ ふるさと納税(食費・生活費が浮く×控除)
個人事業主も普通に使える
限度額は「所得」で変わるだけで、会社員と同じ仕組み。
食べ物系生活雑貨系の返礼が“家計の即効性”あり
中学受験家庭はとにかく食費がかかるから
米・肉・魚は実質的にかなり助かる。
自己負担2,000円でOK
控除だけでなく、日々の出費が減る“生活防衛”としても優秀。
6つの節税はどう組み合わせる?
ステップ1:青色申告(最優先)
ここをやらないと節税は始まらない。
ステップ2:経費を整える
最初にやるべきは
“使える経費をちゃんと入れる”こと。
ステップ3:小規模企業共済 or 経営セーフティ
退職金+安全弁として使える。
経営セーフティは経費メリットが大きい。
ステップ4:iDeCo
余裕が出たら、老後の柱として少額から。
ステップ5:ふるさと納税
毎年やるだけで控除+家計が軽くなる。
まとめ
個人事業主の節税は
「控除 × 経費 × 優遇制度」 の掛け算で大きく差がつきます。
特に
- 青色申告
- 経費計上
- 小規模企業共済
- 経営セーフティ
- iDeCo
- ふるさと納税
この6つは、手取りに直結する“即効性の高い節税”。
ちょっとずつでも始めれば、
確実に家計がラクになります。
“収入の波があっても無理なく続けられる”節税から、
ぜひまずは一つ取り入れてみてください。

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