中学受験の5年生後半になると、
塾から受ける模試が一気に増えてきて、こんな疑問が生まれます。
「サピックスオープンってそんなに難しいの?」
「合不合とNNの偏差値、なんで違うの?」
「首都模試って受ける意味ある?」
そして6年生前半になると…
「模試の結果、どれを信じればいいの?」
ここで不安が強くなってしまうご家庭が本当に多い。
でも実は、
“模試の種類ごとの特徴”を知るだけで、
数値の見え方が一気に整理される のです。
この記事では、主要模試の特徴を明朗に・簡潔に 説明していきます。
はじめに|模試によって“測っている力”が違う
中学受験の模試は、すべて同じではありません。
偏差値の出方、問題の作り方、受けている母集団――
ぜんぶ違います。
だから、
「SOでは偏差値47、合不合では52、NNでは55」
みたいな“バラバラ現象”は普通に起きる。
模試によって見える子どもの姿が違う。
ここからは、その理由を一つずつ説明していきます。
サピックスオープン(SO)の特徴
① “もっとも難しい模試”。処理速度と総合力を試す
SOは、全模試の中で最も難易度が高いと言われます。
理由は明確で、
- 問題量が多い
- 設問が重たい
- 誘導が少ない
- スピード勝負
特に算数は スピードと処理型 が求められ、
丁寧型の子や、読むのが慎重な女子は点が伸びにくい。
② 偏差値は全体的に“辛め”に出る
2026年にかけてはその傾向がさらに強く、
「SOでは偏差値が出ない」 という声が多い。
③ SOは“基礎”ではなく“戦闘力”を見る模試
だから、
SOだけで志望校判断する必要はまったくない。
合不合判定テスト(四谷大塚)の特徴
① 母集団が広く“平均的な実力帯”が見える
とにかく受験者数が多い。
そのため偏差値が安定しやすく、
“広い視野での実力”が分かる。
② 女子は比較的点が出やすい
国語が標準的で、
読解のクセが少ないため女子に相性が良い。
③ はじめての「現実ライン」が見えやすい模試
SOほど尖っていないので、
受験全体での位置を知りたいなら合不合が一番使いやすい。
NNオープン(早稲アカ)の特徴
① “学校別の相性”が一番出る模試
ここがNN最大の特徴。
その学校の傾向に本気で寄せて作られているため、
- 偏差値より
- 本番への相性
が分かります。
② SOより得点しやすい
NNはSOほどスピード勝負ではなく、
丁寧に解けば点が入りやすい構成。
③ 本命校の感触をつかむには最適
過去問に入る前の段階で、
“うちの子はこの学校に向いている?”
が一番見える模試。
首都圏模試(共学志望向け)の特徴
① 女子の偏差値が出やすい傾向
問題がオーソドックスで、
語彙力・丁寧さ・確実に積み上げる力が評価されやすい。
② SOとは“軸が違う”ので比較はNG
SOで偏差値48でも、
首都模試では56〜60出ることは珍しくない。
つまり、どちらが本当の実力…?
→ どちらも本当。ただし“見ている軸が違う”だけ。
③ 共学・中堅校の現実的判定に強い
偏差値55前後までの共学校を考えている家庭には特に有用。
日能研 全国公開模試(補足)
① 記述が多く“思考力寄り”
国語・算数ともに記述が増えるため、
“丁寧に考えるタイプ”の子が点を出しやすい。
② 女子の国語力が出やすい
読解が標準的で書く力が求められるため、
女子の中間層が最も実力を出しやすい。
模試によって偏差値が“バラバラ”になる理由
① 母集団の違い
SO=難関校志望が多い
合不合=幅広い家庭
NN=学校別
首都模試=共学層
→ 偏差値は母集団で大きく変わる。
② 難易度と処理量が全然違う
SO:とにかく処理量
合不合:標準
首都模試:取り組みやすい
③ 女子は模試ごとに相性の差が出やすい
慎重・丁寧・読む力が高い子は首都模試が伸びやすい。
処理型はSOでも伸びる。
模試ごとの“偏差値の出やすさ・出にくさ”
- SO → 一番辛い(女子は特に辛い)
- 合不合 → 安定する(実力帯が分かる)
- NN → 本命校の相性として見る
- 首都模試 → 女子が偏差値を出しやすい
親の不安ポイントがほぼここに集約される。
まとめ|“どの模試で点が出る子なのか”が分かれば強い
- SOは処理力
- 合不合は平均力
- NNは相性
- 首都模試は共学・中堅の実力帯
- 偏差値のブレには必ず理由がある
5年後半〜6年前半は、
まだ本番力は作っている途中。
“模試の種類による差”が普通に出る時期 です。
慌てず、
「うちの子は、どの模試と相性が良いタイプ?」
と見ていくと、志望校の方向性も自然にクリアになります。

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