個人事業主の家庭は、収入の波が大きく、税金や社会保険の負担も重くなりがちです。
大工の嫁として、毎年の確定申告や支払いを見てきて強く思うのは、
「節税できるポイントは、知っているかどうかで大きく変わる」ということ。
その中でも iDeCo は、個人事業主にとって特に効果が大きい制度です。
今回は、実際の金額・節税効果がひと目で分かるようにまとめました。
個人事業主こそiDeCoが効きやすい理由
厚生年金がなく、社会保険料が全額自己負担だから
会社員と違い、個人事業主は厚生年金がありません。
国民年金と国民健康保険を全額自分で支払うため、税負担が直接家計に響きます。
収入が安定しない時期があるから
大工・職人・フリーランスなど、家業には繁忙期と閑散期があるため、景気や季節の影響を受けやすい立場です。
掛け金の変更も年に1回は可能なため、少なくなりそうになったら減らすことも可能です。
節税の影響が生活にダイレクトに返ってくる
iDeCoの掛金は全額所得控除。
控除が増える=税金がそのまま軽くなるため、個人事業主には非常にメリットが大きい制度です。
iDeCoの掛金は全額所得控除になる
所得控除で税金が減る仕組み
iDeCoの掛金は、支払った全額が「所得控除」として扱われます。
控除される対象
- 所得税
- 住民税(多くの自治体で一律10%)
所得控除が増えるほど、納税額がしっかり下がります。
税率が高いほど節税額は大きくなる
個人事業主は、所得が上がると税率も上がります。
そのため、売上が良い年に掛金を多めに入れると、節税効果も大きくなります。
税率ってどう決まる?所得別に“iDeCoの節税効果”が変わる理由
iDeCoの節税額は「掛金 × 税率」で決まります。
税率は、あなたの“課税所得”で変わるため、家庭の収入によって節税額が大きく変わります。
所得別・税率の目安
- 課税所得195万円以下 → 15%控除
- 課税所得195万円〜330万円 → 20%控除
- 課税所得330万円〜695万円 → 30%控除
- 課税所得695万円〜900万円 → 33%控除
- 課税所得900万円〜1,800万円 → 43%控除
今回は20%と30%の場合の節税額を比較 していきます。
掛金ごとの節税額(20%・30%比較)
以下は、20%(所得税10%+住民税10%)と、30%(所得税20%+住民税10%)の場合の節税額をまとめた表です。
【掛金ごとの節税額(20%・30%を比較)】
| 月の掛金 | 年間掛金 | 節税額(税率20%) | 節税額(税率30%) |
|---|---|---|---|
| 1万円 | 12万円 | 2万4,000円 | 3万6,000円 |
| 2万円 | 24万円 | 4万8,000円 | 7万2,000円 |
| 3万円 | 36万円 | 7万2,000円 | 10万8,000円 |
| 5万円 | 60万円 | 12万円 | 18万円 |
| 6.8万円 | 81.6万円 | 16万3,200円 | 24万4,800円 |
個人事業主がiDeCoを使うときの注意点
60歳まで引き出せない
最も重要なポイントです。
そのため、家計が苦しくなる金額で無理に拠出しないことが大切です。
掛金は増減できる
収入の波が大きい仕事ほど、
「余裕がある年に増やす」「厳しい年は減らす」といった柔軟な使い方ができます。
国民健康保険料への影響は限定的
確かに所得控除は増えますが、国保の計算方法の関係で、影響はそこまで大きくありません。
メインはあくまで“所得税+住民税”の節税です。
家業×iDeCoのちょうどいい掛金設定の考え方
月1万円〜1.5万円がもっとも続けやすい
個人事業主の家庭では、このラインが無理なく続けられます。
もちろんもっと増やせる場合は増やしてもOKです。
余裕のある年だけ掛金を上げる
売上が良い年だけ+5,000円〜1万円増やすなど、「その年の景気」で調整するのが現実的で強い方法です。
上限いっぱいを狙う必要はない
高額の掛金は負担になりやすいため、
“継続できる金額”を優先する方が圧倒的に効果的です。
まとめ
個人事業主がiDeCoを使うと、節税効果が家計にそのまま返ってきます。
月1万円なら年間24,000円、
月2万円なら年間48,000円、
月5万円なら年間120,000円
の節税になります。
数字で見ると、iDeCoの強さがよく分かります。
未来の安心は、今日の小さな積み重ねから。
夫は、毎月3万円で2018年から積み立てしています。気づけばもうすぐ8年。ちりもつもれば山となるですね。
始めたばかりの時は全然プラスにならず、言ってみればマイナスになってしまうこともあり。更に2020年に起きたコロナショックの時など、もう見たくないくらいで見ないようにしていました。これは銀行の定期預金に入れたほうがよかったのか?!と思ってしまった時もありましたが、いや違う節税効果を狙ってやりはじめたのだから続けようと、それからは無心になって特に気にも留めなくなりました。気にならなくなるまでに3年はかかりました…。
無理のない金額で、家業と暮らしに合わせて、iDeCoを味方につけていきましょう。

のコピーのコピー-1.jpg)
コメント