NISAを始めたいけれど、
「毎月いくら積み立てるのが正解なの?」
ここで止まっている人はとても多いです。
しかも、40代・子育て中・教育費もこれから……となると、
「理想」と「現実」のバランスをどう取るかが、さらに難しくなります。
この記事では、
- 教育費が増える“山場”をざっくり把握しながら
- 公立・私立・塾代の目安も確認して
- 「NISAは月いくらなら無理なく続けられるか?」
を、40代主婦目線で整理していきます。
新NISAの積立金額は“3つの基準”で決めれば迷わない
生活防衛資金がどれくらいあるか
まず最初に見るのは、投資ではなく現金のクッションです。
- 生活費の3〜6か月分
- フリーランス・個人事業主なら6〜12か月分を目安に
このぐらいの“現金の防波堤”があれば、
急な出費があっても NISA を続けやすくなります。
生活防衛資金がまだ少ない場合は、
積立額は控えめ(月5,000円〜1万円)からでも十分です。
「投資に回せる余力」がいくらあるか
次に見るのは毎月の家計の流れ。
- 食費
- 住宅費
- 教育費
- 車関連
- 通信費
- 保険料
これらをざっくり洗い出したうえで、
「なくなっても生活が苦しくならない金額」を投資枠にします。
この“余力のライン”を越えてしまうと、
数カ月後に積立をやめたくなってしまうので要注意です。
教育費を含めた“ライフイベント”の波
子どもがいる家庭では、投資に回せる金額は子どもの成長ステージで大きく変わります。
- 小学校までは比較的ゆるやか
- 中学〜高校は一気に教育費が増える
- 大学進学時は“ドン”と現金が必要
この“波”を知っておくと、
「今は月1万円、落ち着いたら月2〜3万円に増やそう」のような見通しが立てやすくなります。
教育費が増える時期を知っておくと、積立金額が決めやすい
公立と私立の教育費:年間のざっくり目安
まずは「学校に払うお金」だけをざっくり整理します。
(授業料・給食費・教材費・行事費など。塾代はここには含まれません)
以下は年間の目安です。
(このままブロックエディタに貼れます)
| 学校区分 | 公立の年間学費(目安) | 私立の年間学費(目安) |
|---|---|---|
| 幼稚園 | 約20〜25万円 | 約50〜60万円 |
| 小学校 | 約30〜40万円 | 約90〜100万円 |
| 中学校 | 約45〜60万円 | 約140〜150万円 |
| 高校 | 約40〜50万円 | 約100〜110万円 |
| 大学(文系) | 約50〜60万円 | 約110〜130万円 |
| 大学(理系) | 約70〜80万円 | 約150〜170万円 |
※ 完全な統計値ではなく、“感覚がつかめるざっくり目安”として使う前提で書いています。
塾・習い事代を含めた“リアルな年間イメージ”
中学受験や高校受験を考えると、
学校以外にかかる「塾・習い事・模試代」もかなり大きくなります。
ざっくりしたモデルはこんなイメージです。
| 学年 | 年間費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 小1 | 8〜15万円 | 公文・英語・スイミングなど |
| 小2 | 10〜18万円 | 同上 |
| 小3 | 15〜30万円 | 軽い塾通いスタートも |
| 小4 | 40〜60万円 | 受験塾スタート(週2〜3) |
| 小5 | 60〜90万円 | 模試・講習でさらに増加 |
| 小6 | 100〜150万円 | 夏期講習・冬期講習ピーク |
| 中1 | 20〜40万円 | 補習塾・英語・数学強化 |
| 中2 | 30〜50万円 | 定期テスト対策が増える |
| 中3 | 50〜80万円 | 高校受験期のピーク |
| 高1 | 30〜50万円 | 英検・参考書・塾少し |
| 高2 | 40〜70万円 | 受験塾本格化 |
| 高3 | 80〜120万円 | 大学受験期のピーク |
教育費の“3つの山場”
教育費には、とくに大きな山が3回あります。
小4〜小6(中学受験をする場合)
- 公立小でも、塾代込みで年間80〜160万円くらいまでふくらむことも。
- 家計へのインパクトはかなり大きい時期。
中3(高校受験期)
- 公立中+塾でも、年間50〜80万円前後。
- 私立中の子も、高校・大学を見据えた塾費用がかかる。
高3(大学受験期)
- 受験料・交通費・参考書・塾・模試で年間80〜120万円クラス。
- 大学入学金・初年度学費という“ドカンと現金”も必要。
教育費とNISAの積立金額の関係
こうして見てみると、
子どもの進路や塾の有無によって、「投資に回せる金額」は大きく違うことが分かります。
- 小4〜高3までは教育費の波が激しい時期
- この時期は「NISAは月1〜2万円でキープ」など控えめ設定でOK
- 教育費が落ち着いてから、月3〜5万円に増やすイメージ
「今はがっつり積み立てる時期ではなく、とりあえず“種まきの時期”」
と考えると、心理的にもかなりラクになります。
40代主婦の“モデルケース別”NISA積立額イメージ
ここからは、実際に「月いくらなら現実的か?」を
ざっくり3パターンに分けて考えてみます。
ケースA:とにかく無理なく続けたい → 月1万円
- 子どもが小〜中学生
- 塾・習い事・食費も増えがち
- 生活防衛資金もまだ増やしたい
こういう家庭は、月1万円で十分です。
「たった1万円」と思うかもしれませんが、
後半で見るシミュレーションの通り、20〜30年続けると数字はしっかり効いてきます。
ケースB:少し余力がある → 月2〜3万円
- 夫婦の収入がそこそこ安定
- 子どもが中〜高校生で、教育費のピークは意識しつつも見通しが立ってきた
- 生活防衛資金はすでに数か月分確保済み
この場合は、月2〜3万円が現実的なライン。
教育費と老後資金を両立させたい家庭にちょうど良い設定です。
ケースC:教育費が落ち着いてきた → 月5万円前後
- 子どもが大学生〜社会人になりつつある
- 住宅ローンもある程度先が見えてきた
- 自分たちの老後を強化したい段階
このタイミングなら、月5万円前後の積立も検討できます。
とはいえ、無理は禁物。
「1〜2年続けてみて、苦しくないか」を必ずチェックしたいラインです。
月の積立額 × 期間 × 利回りでどれくらい変わる?(3%と5%の比較)
ここからは、少し数字の話です。
- 月1万・2万・3万・5万円の積立
- 期間は10年/15年/20年/30年
- 年利3%(かなり保守的)
- 年利5%(世界株インデックスなどの長期期待値イメージ)
で比べてみます。
積立額と運用結果の比較表(3%と5%・10〜30年)
| 月の積立額 | 積立期間 | 元本 | 年3%の場合 | 年5%の場合 |
|---|---|---|---|---|
| 1万円 | 10年 | 120万円 | 約140万円 | 約155万円 |
| 15年 | 180万円 | 約227万円 | 約267万円 | |
| 20年 | 240万円 | 約328万円 | 約411万円 | |
| 30年 | 360万円 | 約583万円 | 約832万円 | |
| 2万円 | 10年 | 240万円 | 約279万円 | 約311万円 |
| 15年 | 360万円 | 約454万円 | 約535万円 | |
| 20年 | 480万円 | 約657万円 | 約822万円 | |
| 30年 | 720万円 | 約1,165万円 | 約1,665万円 | |
| 3万円 | 10年 | 360万円 | 約419万円 | 約466万円 |
| 15年 | 540万円 | 約681万円 | 約802万円 | |
| 20年 | 720万円 | 約985万円 | 約1,233万円 | |
| 30年 | 1,080万円 | 約1,748万円 | 約2,497万円 | |
| 5万円 | 10年 | 600万円 | 約699万円 | 約776万円 |
| 15年 | 900万円 | 約1,135万円 | 約1,336万円 | |
| 20年 | 1,200万円 | 約1,642万円 | 約2,055万円 | |
| 30年 | 1,800万円 | 約2,914万円 | 約4,161万円 |
この表から分かること
- 10年だと「貯金+ちょっと増える」くらいのイメージ
- 15〜20年になると、運用益がかなり効いてくる
- 30年になると、「運用益>元本」になってくる(特に5%)
つまり、
「月1万円〜2万円でも、時間を味方につけると十分大きな差になる」
ということが分かります。
ボーナス併用で“ムリなく増やす”という選択肢
毎月は1万円だけど、ボーナスのときに少し多めに入れる、というやり方もあります。
例:
- 月1万円 × 12か月 = 12万円
- ボーナス時に10万円×2回 = 20万円
→ 年間積立 32万円
このように、
「月の固定額は少なめ」「ボーナスでちょい足し」
というスタイルにすると、心理的負担はかなり軽くなります。
まとめ:完璧な金額より、“続けられる金額”が正解
NISAの積立金額は、数字の上だけで決めるものではありません。
- 生活防衛資金がどのくらいあるか
- 教育費の山場がいつ来るか
- 家計の“余力”がいくらなのか
- どのくらいの期間、続けるつもりなのか
これらを踏まえたうえで、
- 今は月1万円でOK
- 余裕が出てきたら月2〜3万円に増やす
- 教育費が落ち着いたら月5万円も検討
と、人生に合わせて“階段”をのぼるように増やしていく イメージが、いちばん続けやすい形です。
「正解の金額」を探すよりも、
“自分の暮らしにフィットする金額”でコツコツ続けることが、
NISAを味方につけるいちばんの近道です。

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