中学受験ではよく「安全校を受けておきましょう」と言われます。
でも私は、安全校こそ “子どもの行きたい気持ち”を軸に選ぶべき だと考えています。
理由はシンプルで、
合格しても、通いたくない学校では親も子も幸せになれないから。
この記事では、
- なぜ「偏差値だけの安全校」が危険なのか
- 子どもの気持ちを軸にしながら“確実性”も取る方法
- SO/NN/合不合/首都模試を使った安全校の見つけ方
- サンデーショックがある2026年ならではの注意点
この4点を、分かりやすく整理してまとめます。
安全校を“子どもが行きたい学校”から選ぶべき理由
入学後に毎日通うのは子どもだから
偏差値的には「安全」でも、
本人が行きたくない学校は、入った瞬間からつらくなることがあります。
- 校風が合わない
- 友達ができない
- 通学が負担
- 雰囲気が好きじゃない
こうなると、6年間が“我慢”になってしまう。
安全校=親の安心ではなく、子どもの幸せで決めるべき。
行きたくない学校の合格は“本当の安全”ではない
安全校と聞くと「滑り止め」「保険」のように感じますが、
行きたくない学校が合格しても、気持ちは前を向きません。
むしろ、
- 合格しても嬉しくない
- 進学先として納得できない
- 2月後半にメンタルが落ちる
というケースも多い。
安全校は“受かったら嬉しい学校”であることが大前提。
行きたい学校は、本番の集中力が違う
子どもが好きな学校を受けると、
- 過去問に前向き
- 合格後の生活を想像できる
- 試験当日の集中力が高い
というプラスの力が働きます。
中学受験は「気持ち」が結果を左右する受験。
行きたい学校=本気で取りにいける学校。
とはいえ、“気持ちだけ”で安全校を選ぶと失敗する理由
ここは誤解してほしくないポイント。
気持ちが一番大事だけど、
気持ちだけで選ぶと、合格可能性のズレが出ることがあります。
偏差値がズレすぎると、合格可能性が下がる
模試で安定していないレベルの学校は、子どもが行きたくても“安全校”にはなりません。
安全校は、本命より少し下の帯で、確実性のある学校のこと。
問題形式・科目配点の相性が合わないと危険
- 記述が多い
- スピード勝負
- 算数重視
- 理社の逆転が起きやすい問題
こういう学校は、偏差値が下でも不利になる。
相性は偏差値以上に大事な安全校の要素。
通学距離・校風が合わないと長く続かない
安全校=6年間通う可能性がある学校。
だからこそ通学・校風も“生活の相性”として重視。
本当の安全校は“気持ち × 合格可能性 × 相性”の掛け算で決まる
① 偏差値は“参考値”。模試ごとに安全帯が違う
中学受験では、模試ごとの偏差値が大きく異なります。
だから安全校は 複数模試の“共通帯”で判断するのが最も安全。
| 模試名 | 特徴(女子の傾向も含む) | 偏差値の出方 | 安全校の目安 (偏差値) | |||
|---|---|---|---|---|---|---|
| サピックスオープン | 志望者層が厚く処理量多い。女子は厳しめ。 | 厳しめ (特に女子) | -5〜-7 | |||
| NNオープン (早稲アカ) | 学校別特化。作問傾向が本番に近い。 相性差が大きい。 | やや出やすい | -4〜-6 | |||
| 合不合判定テスト | 受験者層が広く、実力が反映されやすい。 | 標準的 | -5〜-7 | |||
| 首都模試 | 共学志望に強い。女子は相性が良い。 | やや優しめ | -4〜-6 | |||
→ 安全校は、「本人が行きたい」と思える学校の中から、この偏差値帯に入る学校を探すイメージ。
② 問題形式が子どもの得意に合っているか
- 記述少なめ
- スピード型
- 思考力型
- 算数難度高め
- 読解にクセがない
など、形式相性は偏差値以上に大事。
③ 子どもが「ここなら行きたい」と思える学校であること
これが最も重要。
合格したら嬉しい。
行けと言われたら前向きに通えそう。
その気持ちがあるかどうかで、本番の踏ん張りが大きく変わる。
④ 校風・通学・生活のしやすさも安全に直結
6年間通う場所だから、
- 通学路の安全
- 部活動
- 文化祭の雰囲気
- 制服
- 校則
子どもの生活に「合うかどうか」も重要。
2026年はサンデーショックで“安全校の価値”が例年以上に高い
2026年は2/1が日曜日。
多くの人気校や女子校が 2/2に移動 します。
そのため、
- 2/1に確実校を置きたい家庭が増える
- 2/2は本命校が集中し“倍率が読みにくい”
- 2/3は押さえ直し組が動く可能性あり
という特殊な年。
★行きたい×確実 の安全校を1校入れておくのは、今年は特に賢明。
★女子の受験はメンタルの安定が大事なので、
安全校=“通ってもいいと思える学校”が本当の安全。
まとめ|安全校は偏差値よりも“子どもの未来”で選ぶ
中学受験の安全校は、偏差値の低い学校でも、合格可能性が高い学校でもなく、
子どもが笑顔で通える学校 × 合格可能性 × 相性のバランス
これが本当の安全校。
- 合格が嬉しい
- 通いたくなる
- 校風が合う
- 本人が納得できる
- 本番で踏ん張れる
そのうえで偏差値が届きやすい学校を選ぶ。
2026年はサンデーショックで特にブレやすい年だからこそ、
子どもの気持ちとデータの両方を大切にした安全校選び が成功につながります。
親子で穏やかな春を迎えられるように、あと少しがんばりましょう。

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